世の中には利益が出ているのに倒産してしまう「意味ぷ〜」な会社があるのをご存知でしょうか?
いわゆる黒字倒産って言うんですけど、黒字なのに倒産ってどういう事なんじゃって感じですよね。
ぼくの会社も過去に危うくそういう状況になりかけたことがあったのでその時の体験談を書いていきます。
黒字倒産とは?
黒字倒産とは利益が出ているにもかかわらず、支払いに必要な資金が不足して倒産してしまうケースです。
利益が出てるのになんで足りんくなるん?
会社って継続的に事業を回すと現金が全然残らないんですよ。
例えば1回の仕入れで400万円かかって、全部売れると800万円の売上になるとします。
完売すると400万円の利益。
これをざっくりとしたスケジュールで見るとこんな感じ。

僕の場合は輸入業なので仕入れ開始してから販売開始まで3〜4ヶ月かかります。
それまで販売準備するにあたってかかる経費は全部前払いなのです。
で、4月頃からようやく販売開始できるのですが、一気に全てが売れるわけではないので回収にも3~4ヶ月かかります。
それでもとりあえず全部売れて一旦終わるのであれば、「400万利益出たね〜!わーい!」
となるのですが、実際には5月ごろから次の仕入れ準備をしないといけません。
そして大抵は少しづつ仕入れ量を増やしていくのでまた前払いの支払い金額が増えます。

さらに言うと、実際には1月から人件費をはじめとして、いろんな運営経費が発生していくので手元に残る現金はもっと少ないです。
上の図でいくと7月時点で260万円の現金がつくれてるいるように見えますが、実際には100万円残るか残らないかだと思います。
BtoB(企業間取引)だと入金はさらに先
ちなみに企業間取引だと大抵は月末締めの翌月払いか、遅いところは翌々月払いだったりするのでお金の入金フローはもっと遅くなります。
4月に販売できても入金されるのは5月か6月です。
1月に投資したお金が全部回収できるのは8〜9ヶ月かかるってことになりますね。
ほんまに利益出てるのかよー分からんくなってくるw
以上のような理由で事業を継続させると現金がなかなか貯まっていきません。
販売前に入念に、仕入れ経費と販売額を計算して「1個売れれば◯円の利益が出る」とやっていきましたが、
あまりに現金溜まっていかないので「これ利益出てるんかな〜?」「た、たぶん…」みたいなやりとり会社内で何回もしました。笑
感覚としては3~4回くらい仕入れと販売を回してやっと安心感のある現金ができてきた感じです。
投資に失敗して大損害だした
で、資金に余裕が出ててきたので調子にのって次の投資対象を探して手を出したのですがこれが大失敗。w
1,000万くらいの資金を投じてほぼ回収できず、これがキャッシュフローを悪くして会社が傾きかけました。

運転資金のための借入が必要になり1,000万円ほど借入してどうにか立て直しました^^;
経理上では黒字なんですけど、一時的にイレギュラーなことしてしまってキャッシュが足りなくなってしまったパターンですね。
高い勉強代です^^;
一般的には投資は「余剰資金でやりましょ」と言われるように、失っても問題ない程度に投資していかないとダメですね。
黒字倒産が起きてしまうケース
黒字倒産が起きるケースをまとめるとこんな感じ。
- 販売成長に伴う仕入れや在庫の増加
- 事業拡大のための投資←うちがこれ
- 得意先からの入金遅れ←これは防ぎようがない
ご覧いただくと分かるように調子にのると痛い目見るよってことです。笑
会社は急激な成長よりゆるやかな成長させる方が安全だなと思いました。
今みたいに急速なインフレだと生活が苦しくなるのと似てますね。
結論:キャッシュフローなめてた。
規模小さいうちはなんとなくでも把握できて問題ないんですけど、少し大きくなると定期的に支払いサイクルと入金サイクルを把握して見直していかないとダメですね。
反省!